まさか天丼に・・・!?

エッセイ

それはランチで起きた

過日、お腹をすかせた僕は、とある老舗店へ入店した。
店内はカウンター席以外、埋まっていた。

メニューも見ずに僕は「天丼大盛りで!」と店員さんに言った。

熱々のほうじ茶をすする。
何とも優雅な時間だ。

10分後、天丼大盛りが到着した。
天ぷらが6品盛られている。

 

ゼクシィ内祝い

 

まずはお味噌汁から。
赤出汁で、わかめとねぎ入りだ。

「美味。それでは頂戴しますか」

僕は丼から一口サイズの天ぷらを取った。
おそらく鱧だろうと見当をつけ、口に入れた。

「あっ……」
衣の中から、ぬるっと、生暖かい物が僕の口内に広がった。
しかも酸っぱいではないか………。

そう、鱧だと思って食べたのは、梅だったのだ。
僕は梅干しが大嫌い!!!
梅のおにぎりも無理、梅サワーも飲めないのだ。

小学生時代、体に良いからと母親に無理矢理食べさせられて以来、
僕は梅干しが大嫌いになったのだ。
ぬるっと、した触感と、何より酸っぱすぎる。
それがまさか温かい梅を喰らう事になるとは………。

僕は急いでほうじ茶を口に含んだ。
「あつつつっ」
器官が熱がっている。
申し訳ない。耐えてくれ。
ついでに僕はベロを火傷した。

僕は涙目になりながらメニュー表を見た。
海老2本、鱧、マイタケ、春菊、梅と記載されていた。

それ以降、僕のテンションはだだ下がり。
だって口の中は火傷していて、かつ梅の酸味がとれないし、
それに天丼のお値段は1500円。
梅のせいで1500円が瞬時に消えてしまったのだから。

僕の隣に座った、後から入店した70代のおじいちゃんが、
先に食べ終え席を立った。

会計時、店員さんから言われた。
「午後も元気だしてネ☆」

やかましいwww

 

【了】

いい大人のためのラブレター【シカケテガミ】

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